サラリーマンの米国株投資生活録

連続増配・高配当個別株とETFの複合ポートフォリオを運用しています

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ABBVのAGN買収への期待と不安

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アッヴィが美容・眼科医療分野に強いアラガンを約630億ドルで買収すると発表しました。

1株当たりの買収額は合計で1株188.24ドルと、前日の終値に45%上乗せした水準で、アラガンの債務を含めると約830億ドルの大型買収となります。

両社は買収手続き完了後、最初の1年の調整後1株利益が10%押し上げられると発表しています。

 

買収の発表を受けて市場が最初に出した答えは、前日比終値−16.25%と大型買収によくあるネガティブな反応でした。

 

僕はアッヴィ株を保有しています。

当然僕のポートフォリオは、前日比-0.8%、個別株のみのポートフォリオで-0.97%と下がりました。

ただ、S&P500も前日比-0.95%でしたので、上手く分散が効いたポートフォリオで少し安心しています。

 

今回の買収案件でのアッヴィの大きなメリットとしてはアッヴィとアラガンの事業領域が競合せず、アッヴィの大きな懸念事項だった50%以上の売り上げを占めるヒュミラに頼っていた事業ポートフォリオの分散化です。

さらには、売上高が増加しスケールメリットを得られることと、美容分野が今後の大きな成長の可能性を秘めているのではと期待されています。

また、アラガンを巡っては、ファイザーが2016年に1600億ドルの買収案を撤回した経緯もありました。

 

ただ、デメリットとして約830億ドルの買収費用に対する財務懸念、それに加えて米国の2023年の特許切れによるヒュミラの売上減少です。すでに米国外では後発薬で販売減の影響が出ています。

 

今回の急落は、こうしたデメリットが大きく不安視された格好です。

 

今回の買収へのアッヴィ経営陣の判断は悪くない一手だと思う一方で、今後の経営陣には、ヒュミラ減少に伴う売上高の低下と株主還元に加え、今回の買収に伴う財務懸念で、これまで以上に上手くバランスを取る必要に迫られます。

 

急落後のアッヴィの株価に対するPERは前回決算時のEPSから単純計算して約8倍、配当利回りは約6.5%になりました。

 

バリュー投資家は手を出したくなる水準だと思います。元々アッヴィは、高収益体質の優良企業です。前回の決算も、予想を上回る結果でした。

 

しかし現在は優良企業だったとしても、将来的にヒュミラの売上の減少が確実視されている中、多額の買収費用による財務負担は大丈夫なのだろうか、と不安視するのも頷けます。(リーマンショック時のファイザーの減配が頭をよぎります)

アッヴィのPERが8倍というのも、将来を考えると現時点では適正なのかもしれません。

 

期待と不安が混濁したアッヴィが、さらに今回の社運を賭けた買収劇で、より投資判断の難しい銘柄になりました。

これから長期投資としてのアッヴィがどうなるかは神のみぞ知るというところで、投資するかどうかの判断は人それぞれで本当に難しいです。

 

今回の買収発表で、市場は-16.25%というネガティブな結果を出しています。

買収による将来への都合のいいストーリーや過度な期待を持たないように、気をつけないといけません。

 

色々な選択肢を考えさせられるからこそ、個別株は本当に面白いです。笑

 

 

 

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